AC CRAFT
   
  おしらせ
   
  AC CRAFTについて
   
  100%気まぐれノート
   
 

家具 ORIGINAL

   
  家具 ORDER MADE TABLE 
   
  SHOP / ACCESS
   
  MAIL

 

 
 
今までのノート  01 * 02 * 03 * 04 * 05 * 06 * 07 * 08 * 09 * 10
 (写真/文:AC CRAFT)

2010/5/24
92、買い物
 
 
 

  食材以外のものを買う機会がめっきり減っている今日この頃です。
  昨日、友達を送る用事で岐阜駅まで行くことになったので、ここ2ヶ月ほど欲しいと思っていた電卓を買いに文具店へ寄りました。 
  近くの公園で旦那さんが娘と遊んで待ってくれるというので、ひとりで電卓コーナーへ。ブランドのもの、デザインがかっこいいもの、安いもの、、色々並んでいるけど何だかピンとこない。二人を待たせているので時間をかけられない、これを逃したらまたしばらく暗算の日々、だけど気に入らないものを使うのはヤダ!などと、時間も無いのにうんうんと20分ほど悩み、ひとつを選びました。
  結局、買ったのは軽くてボタンが押しやすそうだと思った特にブランド名も無い600円の一番安いものでした。店を出た後も、本当にこれで良かった?と、たかが600円の買い物に自問自答したりしていました。(なんだかなさけない)。
  そして家に帰り、パッケージをあけて棚に置いてみると、しっくりと馴染んでるみたい。ボタンを押してみると押しやすい。今朝、かばんに入れてみると小さくて軽くていい感じ。更に工房で経理に使ってみても使いやすい。いい感じ!
  買い物の機会が減った分、買うときには存分に悩みます。自分にとっては大事なことです。気に入らないものとずっと一緒に暮していくのは、毎日が何だかスッキリしませんからね。それに物を買うのって、とても楽しいことです。久々に買い物を楽しんだ昨日でした。                                                        
                                         
                                                  (イシイアイ)
 


2010/05/16
91、 今日は店番の日
 

 今日は店番の日。6日間は娘と過ごして、1日は娘と離れて仕事をする日。
子供はじぃ〜っと親のことを良く見ています。こんなに人から見られる日々も、そうない。
ちょっと困るのは食事です。私の食べているものを欲しがるので、あまり大人の好きな味のものを満喫できません。
いつも焦って食事をしてしまいます。食べた気がしない。食べるのが何より大好きなわたしにとっては、少々つらい。
だから店番の日は、ゆっくり食べれることが一番うれしかったりします。
実は、もうひとり子供を授かりました。9月はじめには産まれる予定です。  (イシイアイ)

2010/4/25

90 村の行事

 



おこわのおむすび、214個


おむすびの半分は、からびつに


年に一度の稲荷様のお祭り


区長さんのご挨拶



 ござに座り、焚き火を囲んで、しばしご歓談、
お食事とお酒を頂いてしばらくしたらお開き。
各家庭、おむすびを五個ずつ、お土産にどうぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本当は今日はこれを更新しようと思っていたのですが、、、
近所の廃校になった小学校でこいのぼりをあげるイベントがありました。







 

 




旦那さんが、更新しかけたページがありました。勝手に更新しました。(アイ)
3月中旬に行われた村のお祭りの準備です。
3年に一度、わたしたちの住む2号組にも当番が廻ってきて、みんなで準備をします。
街育ち夫婦のわたし達には、とても興味深く、楽しい行事。
形を少しずつ変えながら、ずっと続いてきたことです。
おむすびをつくるのは最後かもしれないと、噂に聞きました。
おむすび、ずっと続けばいいのにな。


      公民館の土間のお台所      芋のにっころがし、今風ポテトサラダも   


お重に盛り付け、きれいにね!

 
おむすびと重箱は山を登った。         今年は2号組が当本組。

 

      

      3年に一度の組の当番も終わったね、ほっと一息ついて、ティータイム。
     余ったおかずとおにぎりを各家庭で分けます。今夜の晩御飯。
 
   

 

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

     
         
  娘を連れて見学へ行きました。小学生が沢山いて、女の子たちに遊んでもらいました。
こんな光景を遠くから眺める。大人はもじもじして、こんな風にすぐに仲良くなれないのです。

     
     
 竹笛をつくるワークショップ、みんなに混じった一歳児はいったい何を思っているのだろう。
「わーくしょっぷってなんだろー」とか?

娘ができてから、生活をガラリと変えてしまいました。

  仕事をしていたときは、毎日、工房に来て作業をしたり、一日パソコンに向かって事務仕事をしたり。ホームページの更新やインターネットで色々な情報を見たり、食事の買い物には毎日行っていたかな。今思うと無駄が多い。
 今は作業は完全にやめて、工房で仕事をするのは日曜日で座編みと事務仕事だけ。平日は毎日、インターネットも車も無い家で過ごし、買い物にいける場所も無いので、行動範囲は家から徒歩5分圏内。午前中は庭仕事と散歩、午後は娘を寝かしつけ、夕飯の準備や家のことをあれこれ考えたり、ちょっと休んだり。
今の時代は、仕事を続けるお母さんも多いから、仕事もせずに、こんな風に家に居ていいものかなぁ。。と時々、迷ったりします。
 
  でも、こんな時間は今だけなのかな、とも思います。
自分の動きたいように出かけたり、行動したりできないけれど、こんなに一つの場所に留まって、じっくりと生活できる機会も一生のうち、そうないような気がします。
  娘は、日々ゆっくりと行動範囲を広げて行きます。あっという間に大きくなって、私も否応無く自分の時間ができて、またじっくり一つの場所に留まっていられなくなるんじゃ無いかな。

 今は、娘と家に居なければならないお陰で、貧弱な野菜しか採れなかった畑にまともな野菜ができてきて、草がぼうぼうだった庭には、どんどん花が増え、昼間はあまり空気の流れなかった家にも、いつも気持ちいい空気が流れています。お金にはならないような事ばかりですが、大事な事かとも思います。

 どんな風にせよ、小さな子のお母さん達は皆、今しかない時間を自分なりにあれこれ悩みながら大切に過ごしているのだろうな。本当は、家のことも仕事も子育ても、上手くバランスとってできれば、一番良いのだけどなかなかできません。なかなか器用に全部ははできないものです。なんだか久々に更新したら、とても時間がかかりました。

                                             (イシイアイ)

 

2010/3/12

90   きねんさつえい

 




              


旅立ちの季節


記念撮影を パシャリ パシャリ。





ブラタモリをみていると


別れのときのような


ものかなしさを感じる瞬間がある。




過去にはもう戻れない ・・・



そんなことを感じるからだろうか。




2010/2/10

89 カラマツの椅子

 

 



はじめまして。
スギチェアの
カラマツバージョンです。

 


ヒノキの床、
気持ちよいなあ。



              


                納品させていただいた家具のご紹介。

                定番の「sugi chair(スギ チェア)」。
                (HPではまだご紹介できていなかった・・・。)


                を、セミオーダーで、50ミリほど巾を少し広くし、

                今回はカラマツ材で製作させていただいた。

                スギチェアのカラマツバージョンなのだ。

 

 

  


            

                      
                                   これわたしの秘密。
                                       「トオシホゾ」
        






2010/2/1

88 冴えない帰り道 その5 〜完結編〜

 


気まぐれに始まり、気まぐれに連載。そして気まぐれに終わろうとしている

このお話もいよいよこれで完結です。





冴えない帰り道 その4からのつづき。

人影のない校庭の脇の道をあるいていた。

「バスはあるかな。もし丁度いいのがあるとしたら

よっぽど運がいいぞ。バスも1時間に一本あるかないかだし

ない可能性も高いなあ。それにあったとしても、遅れていたら

今度はバス事務所に電話する・・・しかないか。」

なかばやけ気味に、そんなことを考えていた。


四角い校庭の脇の道。四角の一辺分を歩き、街灯の下に差し掛かった。


「ここからバス停まで、歩いて10分弱だ。

バスがちょうど来れば乗ればいい。

でも、なかったら駅にもどらないと。

えっ、待てよ。行って帰って20分弱。

駅員Bさんは20時50分と言ってたけど

行って帰っただけでも20時45分ころになっちまう。

駅員Bさんの言っていた時間がもし5分でも違っていたら

電車が行っちまうかもしれないじゃないか。

もし電車を逃しちまったら、本当にやばいぞ。 」


ここでバス停に行くという選択肢は、無くなった。

街灯の下で回れ右をし

人影のない校庭の脇の道を引き返すことにした。


「なんだかなあ。駅でまた20分位待つしかないのか?

ホームで何もせず待つのは、また寒いなあ。

ほんと 時間が長く感じるし。

ほんと体冷えてるし。

こうやって歩いている方が、寒さがまぎれるなあ。

そうだ、踏み切りのカンカンがなったらすぐ駅に行けるように、この校庭の

脇の道を行ったりきたりしてようか。」



いい案が思いついた、と思ったがやめた。

校庭から、今歩いている道を挟んで反対側は住宅が立ち並んでいた。

もし、そこの住人の誰かが窓から外をみて、

校庭の脇の道を行ったりきたりしている人がいたら、

絶対に不審者だと思うに違いない。

もし通報されたら、説明しづらいではないか。




あきらめて、駅に行って待つことにした。

駅につき

それからしばらくは、やることもなかったので

もう一度、壁の路線図を見直したり、

もう一度、運賃表で、終点まで行くといくらかかるのか、を見てみたり

もう一度、マジックでかかれた壁の落書きを読んでみたり した。


雪はまだ降っていた。

立ち止まると、足元から寒さが襲ってくるので

数歩歩いては戻って、数歩歩いてはまた戻って。


足踏みをしながら

踏み切りをみたり

時計をみたり

駅の周辺を眺めてみたりしてすごした。



線路の向こう側の、小さな倉庫と小さな工場の間にある

チョコレート色の四角い家の窓からは、オレンジ色の灯りがもれていた。


・・・・

おうちのなかのテーブルを囲む家族の姿が思い浮かんだ。

お父さん、お母さん、そして子供が2人。

ケーキのローソクに火をつけて、

小さいほうの子供がローソクの火を吹き消した。

上手に吹き消すと、ほかのみんなは「わあっ」という顔をして

「おめでとうー!」といって拍手をした。


・・・・



はっと気づくと

誰もいない駅に一人立っていた。

線路と降りしきる雪を隔てた向こう側の

チョコレート色の四角い家の窓からは、オレンジ色の灯りがもれていた。



「まっちはいらんかねえ。」

という言葉が不意に頭をよぎった。





雪はまだ降り続いていた。

手袋はしていたが、たたんだ傘を持っている手が、

すぐに冷たくなるので、傘を持ち替えては、

反対の手をポケットにいれて暖め、持ち替えては暖め

それを繰り返した。


「駅員Bさんは、20時50分と言ってたけど

本当にくるのかなあ。また25分延びたりしたら

本当に凍えちまう。それだけは勘弁だ。

なんか確かめる方法はないかなあ。」






そう思い

駅の壁、緊急時の連絡先の記入されているところをもう一度見てみた。

そこには、「連絡先 M駅事務所 0575-88-○○○○」

と書かれていた。



古い番号かと最初は思った「88」だったが

「なんか怪しいぞ」。 と、心のどこかに引っかかっていた。

何回みても、「88」は「88」だった。きれいに書かれている。



「あっ!」




急に気づいてしまったのである。



「これは「88」ではなく、本当は、

この辺の電話番号に多い「33」ではないかー!」

よくみても、見た目には確かに「88」だが

だれかがマジックで上手になぞって「33」を

「88」にしたのではないか!




試しにかけてみると

「はい、M駅です。」

と、M駅にかかった。


M駅の駅員Cさんは女性で

U駅でくだり電車を待っている旨を伝えると

とても丁寧に

「大変お待たせし申し訳ございません。

その下り電車でしたら、今当駅で停車しておりまして

現在 U駅付近にいる上り電車が当駅につきましたら、

すぐに入れ違いに出発します。」

と教えてくれた。



少し疑り深くなっていたので

「U駅にいますけど、登り電車はまだきませんけど・・。」

といいかけたところ

「カンカンカン・・・・」

と踏み切りの音が鳴り出し、その音が電話を通して

駅員Cさんにも聞こえたらしく

「あっ、来たみたいですね。その上り電車が当駅につき次第、

下り電車が発車しますので

大変お待たせし申し訳ございませんが

もう少々おまちください。」

と、とても丁寧なM駅の駅員Cさんだった。


お礼を言って電話をきった。

時計をみるとすでに20時45分だった。



「はじめからM駅に電話ができていれば・・・・。

駅で50分も待たずにすんだのに・・・凍えずにすんだのに・・・。」



そうなのである。

はじめにM駅に電話が通じていれば、

20時50分発と教えてくれて

それがわかっていれば、たぶんバス停にいき

バス がなかったとしても

一度工房に引き返し

20時50分ころまた駅にくる、という感じで

寒さをしのげていたであろう。





駅の壁、緊急時の連絡先の記入されているところをにらんだ。


なんと上手に、 なんと上手に

「33」を「88」に・・・・。

高等学校の学生さん?か誰かが、

マジックで「33」を上手に上手に「88」に変える、という

高等なテクニックを披露していたのだった。


「まさにマジックであった。」(真顔)





思えば、壁に落書きがいくつもしてあったではないか。

あっちにもこっちにも・・・。

「33」を「88」に丁寧に書き換える後姿が思い浮かんだ。



気づくのが遅すぎたのである。



完敗であった。



それからすぐ、

M駅に向かう上り電車が到着し、出発して言った。

まもなくして、待望のカンカンが鳴り出し

待ちに待った、恋焦がれた 下り電車が到着した。



「20時50分。」と言い切った

駅員Bさんの言ったとおりの時間であった・・・。




やっと、やっと電車にのった。

5、6人のお客さんが乗っている

電車の中はほんのり温かかった。


「これで、家に帰ることができるぞ〜。」


席に座り、正面の窓をみると

真っ黒な窓に、冴えない自分の姿が映っていて

時々、窓の向こう側にぼんやりとした雪景色が見えた。

カタン、コトン・・・と、線路の継ぎ目を通過するときの音が

やけに大きく聞こえていた。



「しかし、今回は本当に冷え切ったぞ。

そして、なんともいえない、このぼんやりもやっと感はなんだ?」



しばらくして、家の最寄駅についた。

電車を降りるとき、運転手さんが

「大変お待たせし、申し訳ございませんでした」

といってくれた。

「いいえ。」とだけ言って電車を降りた。

降りてから

「本当、死ぬかと思いましたよ」とか、言っとけばよかったかな

などと思ったが、すぐに、

言わないで良かったと思った。



「あったかい家まであと少し。

家に帰ったらまず熱い風呂に入ろう。

まあ、あれもこれも散々だったけど、女房に話して

笑い話にでもなりゃ、それでいい。

それでいいじゃあないか。 」



そう思いながら家路を急いだ。

雪が凍って固まった橋の上を注意して渡った。

降りしきる雪の向こう側、川の水が、キラキラと輝いて見えた。




ガラガラガラ。家に着いて扉をあけた。



「ただいまー。」


「・・・・・・・。」


「ただいまー。」


「・・・・・・・。」



おかえり。大変だったねえ。という予想していた返事はなかった。



あれっ。どうしたんだろう。と思ったそのときである。


玄関脇の和室から


「杏ちゃん寝るところだから静かにして!」


という声が響いた。


「・・・・・・・・。」




静かに静かに玄関を上がり、静かにかばんを置いたが

カタンっという音が鳴った。


それからすぐに 風呂場に向かった。

無言のまま、湯船にお湯を足す蛇口をひねった。

蛇口から勢いよくでる水がお湯に変わり 、

温かさとともに、ファーと湯気が上がってきた。

湯気に包まれ、ほーっと息をはいた。

温かい液体の粒が、冷たい頬を流れ落ちていくのを感じたのだった。





おわり




( おまけ)


そのあと子供を寝かしつけてきた 女房が部屋から出てきて

「ごめん、ごめん。丁度、寝るか寝ないかって、ときだったから」

と言った。


子供を寝かしつけるのって、大変だ。

しょうがない。たまたま帰ってきたタイミングが悪かっただけだ。


そして

「でも、帰り遅くなるなら今度から連絡してよね。」

「えっ、連絡したよ。携帯でメールしたよ。」

「メール来てないよ」

「どっひゃーっ。」


携帯電話を確認すると、

寒い寒い駅のホームから 送ったはずのメールは

封筒のマークに赤い×がついていて、未送信となっておりました。

メールまでもが・・・。

ひざから崩れ落ちたのは言うまでもありません。



思い返せば

「88」のいたずらがなければ、駅で待たずにすみ

凍えずにすみ、 S駅にも電話しなくてすんだはず。



S駅の駅員Aさんが、すれ違いを忘れていなければ、

これまた凍えずにすみ

駅員Bさんに電話しなくてすんだはず・・・。


最終的に駅員Bさんの言っていた時間は正しかったけど

あそこで電話をきらないでくれたらぷんぷんしないで済んだのはず・・・。



たまたま、あのタイミングで帰らなければ

もっとあたたかく迎えてもらえた?はずである・・・。



メールがとどいていたらばもっと・・・。もっと・・・。



すべては88」から始まった・・。







しかし、そもそもはじめに工房を出る前に

鉄道会社に電話で、電車の運行状況を聞いていればもっと・・・・。




なのでありました。









お・し・ま・い



※思いがけず長い長い文章になってしまいました。
お付き合い頂き有難うございました。
それから、 鉄道会社の皆様は、大雪の中大変ご苦労さまなのでありました。
決して 恨んだりはしていませんので、あしからず・・・。






                                ai

2010/2/1

88 冴えない帰り道 その5 〜完結編〜

 

気まぐれに始まり、気まぐれに連載。そして気まぐれに終わろうとしている

このお話もいよいよこれで完結です。





冴えない帰り道 その4からのつづき。

人影のない校庭の脇の道をあるいていた。

「バスはあるかな。もし丁度いいのがあるとしたら

よっぽど運がいいぞ。バスも1時間に一本あるかないかだし

ない可能性も高いなあ。それにあったとしても、遅れていたら

今度はバス事務所に電話する・・・しかないか。」

なかばやけ気味に、そんなことを考えていた。


四角い校庭の脇の道。四角の一辺分を歩き、街灯の下に差し掛かった。


「ここからバス停まで、歩いて10分弱だ。

バスがちょうど来れば乗ればいい。

でも、なかったら駅にもどらないと。

えっ、待てよ。行って帰って20分弱。

駅員Bさんは20時50分と言ってたけど

行って帰っただけでも20時45分ころになっちまう。

駅員Bさんの言っていた時間がもし5分でも違っていたら

電車が行っちまうかもしれないじゃないか。

もし電車を逃しちまったら、本当にやばいぞ。 」


ここでバス停に行くという選択肢は、無くなった。

街灯の下で回れ右をし

人影のない校庭の脇の道を引き返すことにした。


「なんだかなあ。駅でまた20分位待つしかないのか?

ホームで何もせず待つのは、また寒いなあ。

ほんと 時間が長く感じるし。

ほんと体冷えてるし。

こうやって歩いている方が、寒さがまぎれるなあ。

そうだ、踏み切りのカンカンがなったらすぐ駅に行けるように、この校庭の

脇の道を行ったりきたりしてようか。」



いい案が思いついた、と思ったがやめた。

校庭から、今歩いている道を挟んで反対側は住宅が立ち並んでいた。

もし、そこの住人の誰かが窓から外をみて、

校庭の脇の道を行ったりきたりしている人がいたら、

絶対に不審者だと思うに違いない。

もし通報されたら、説明しづらいではないか。




あきらめて、駅に行って待つことにした。

駅につき

それからしばらくは、やることもなかったので

もう一度、壁の路線図を見直したり、

もう一度、運賃表で、終点まで行くといくらかかるのか、を見てみたり

もう一度、マジックでかかれた壁の落書きを読んでみたり した。


雪はまだ降っていた。

立ち止まると、足元から寒さが襲ってくるので

数歩歩いては戻って、数歩歩いてはまた戻って。


足踏みをしながら

踏み切りをみたり

時計をみたり

駅の周辺を眺めてみたりしてすごした。



線路の向こう側の、小さな倉庫と小さな工場の間にある

チョコレート色の四角い家の窓からは、オレンジ色の灯りがもれていた。


・・・・

おうちのなかのテーブルを囲む家族の姿が思い浮かんだ。

お父さん、お母さん、そして子供が2人。

ケーキのローソクに火をつけて、

小さいほうの子供がローソクの火を吹き消した。

上手に吹き消すと、ほかのみんなは「わあっ」という顔をして

「おめでとうー!」といって拍手をした。


・・・・



はっと気づくと

誰もいない駅に一人立っていた。

線路と降りしきる雪を隔てた向こう側の

チョコレート色の四角い家の窓からは、オレンジ色の灯りがもれていた。



「まっちはいらんかねえ。」

という言葉が不意に頭をよぎった。





雪はまだ降り続いていた。

手袋はしていたが、たたんだ傘を持っている手が、

すぐに冷たくなるので、傘を持ち替えては、

反対の手をポケットにいれて暖め、持ち替えては暖め

それを繰り返した。


「駅員Bさんは、20時50分と言ってたけど

本当にくるのかなあ。また25分延びたりしたら

本当に凍えちまう。それだけは勘弁だ。

なんか確かめる方法はないかなあ。」






そう思い

駅の壁、緊急時の連絡先の記入されているところをもう一度見てみた。

そこには、「連絡先 M駅事務所 0575-88-○○○○」

と書かれていた。



古い番号かと最初は思った「88」だったが

「なんか怪しいぞ」。 と、心のどこかに引っかかっていた。

何回みても、「88」は「88」だった。きれいに書かれている。



「あっ!」




急に気づいてしまったのである。



「これは「88」ではなく、本当は、

この辺の電話番号に多い「33」ではないかー!」

よくみても、見た目には確かに「88」だが

だれかがマジックで上手になぞって「33」を

「88」にしたのではないか!




試しにかけてみると

「はい、M駅です。」

と、M駅にかかった。


M駅の駅員Cさんは女性で

U駅でくだり電車を待っている旨を伝えると

とても丁寧に

「大変お待たせし申し訳ございません。

その下り電車でしたら、今当駅で停車しておりまして

現在 U駅付近にいる上り電車が当駅につきましたら、

すぐに入れ違いに出発します。」

と教えてくれた。



少し疑り深くなっていたので

「U駅にいますけど、登り電車はまだきませんけど・・。」

といいかけたところ

「カンカンカン・・・・」

と踏み切りの音が鳴り出し、その音が電話を通して

駅員Cさんにも聞こえたらしく

「あっ、来たみたいですね。その上り電車が当駅につき次第、

下り電車が発車しますので

大変お待たせし申し訳ございませんが

もう少々おまちください。」

と、とても丁寧なM駅の駅員Cさんだった。


お礼を言って電話をきった。

時計をみるとすでに20時45分だった。



「はじめからM駅に電話ができていれば・・・・。

駅で50分も待たずにすんだのに・・・凍えずにすんだのに・・・。」



そうなのである。

はじめにM駅に電話が通じていれば、

20時50分発と教えてくれて

それがわかっていれば、たぶんバス停にいき

バス がなかったとしても

一度工房に引き返し

20時50分ころまた駅にくる、という感じで

寒さをしのげていたであろう。





駅の壁、緊急時の連絡先の記入されているところをにらんだ。


なんと上手に、 なんと上手に

「33」を「88」に・・・・。

高等学校の学生さん?か誰かが、

マジックで「33」を上手に上手に「88」に変える、という

高等なテクニックを披露していたのだった。


「まさにマジックであった。」(真顔)





思えば、壁に落書きがいくつもしてあったではないか。

あっちにもこっちにも・・・。

「33」を「88」に丁寧に書き換える後姿が思い浮かんだ。



気づくのが遅すぎたのである。



完敗であった。



それからすぐ、

M駅に向かう上り電車が到着し、出発して言った。

まもなくして、待望のカンカンが鳴り出し

待ちに待った、恋焦がれた 下り電車が到着した。



「20時50分。」と言い切った

駅員Bさんの言ったとおりの時間であった・・・。




やっと、やっと電車にのった。

5、6人のお客さんが乗っている

電車の中はほんのり温かかった。


「これで、家に帰ることができるぞ〜。」


席に座り、正面の窓をみると

真っ黒な窓に、冴えない自分の姿が映っていて

時々、窓の向こう側にぼんやりとした雪景色が見えた。

カタン、コトン・・・と、線路の継ぎ目を通過するときの音が

やけに大きく聞こえていた。



「しかし、今回は本当に冷え切ったぞ。

そして、なんともいえない、このぼんやりもやっと感はなんだ?」



しばらくして、家の最寄駅についた。

電車を降りるとき、運転手さんが

「大変お待たせし、申し訳ございませんでした」

といってくれた。

「いいえ。」とだけ言って電車を降りた。

降りてから

「本当、死ぬかと思いましたよ」とか、言っとけばよかったかな

などと思ったが、すぐに、

言わないで良かったと思った。



「あったかい家まであと少し。

家に帰ったらまず熱い風呂に入ろう。

まあ、あれもこれも散々だったけど、女房に話して

笑い話にでもなりゃ、それでいい。

それでいいじゃあないか。 」



そう思いながら家路を急いだ。

雪が凍って固まった橋の上を注意して渡った。

降りしきる雪の向こう側、川の水が、キラキラと輝いて見えた。




ガラガラガラ。家に着いて扉をあけた。



「ただいまー。」


「・・・・・・・。」


「ただいまー。」


「・・・・・・・。」



おかえり。大変だったねえ。という予想していた返事はなかった。



あれっ。どうしたんだろう。と思ったそのときである。


玄関脇の和室から


「杏ちゃん寝るところだから静かにして!」


という声が響いた。


「・・・・・・・・。」




静かに静かに玄関を上がり、静かにかばんを置いたが

カタンっという音が鳴った。


それからすぐに 風呂場に向かった。

無言のまま、湯船にお湯を足す蛇口をひねった。

蛇口から勢いよくでる水がお湯に変わり 、

温かさとともに、ファーと湯気が上がってきた。

湯気に包まれ、ほーっと息をはいた。

温かい液体の粒が、冷たい頬を流れ落ちていくのを感じたのだった。





おわり




( おまけ)


そのあと子供を寝かしつけてきた 女房が部屋から出てきて

「ごめん、ごめん。丁度、寝るか寝ないかって、ときだったから」

と言った。


子供を寝かしつけるのって、大変だ。

しょうがない。たまたま帰ってきたタイミングが悪かっただけだ。


そして

「でも、帰り遅くなるなら今度から連絡してよね。」

「えっ、連絡したよ。携帯でメールしたよ。」

「メール来てないよ」

「どっひゃーっ。」


携帯電話を確認すると、

寒い寒い駅のホームから 送ったはずのメールは

封筒のマークに赤い×がついていて、未送信となっておりました。

メールまでもが・・・。

ひざから崩れ落ちたのは言うまでもありません。



思い返せば

「88」のいたずらがなければ、駅で待たずにすみ

凍えずにすみ、 S駅にも電話しなくてすんだはず。



S駅の駅員Aさんが、すれ違いを忘れていなければ、

これまた凍えずにすみ

駅員Bさんに電話しなくてすんだはず・・・。


最終的に駅員Bさんの言っていた時間は正しかったけど

あそこで電話をきらないでくれたらぷんぷんしないで済んだのはず・・・。



たまたま、あのタイミングで帰らなければ

もっとあたたかく迎えてもらえた?はずである・・・。



メールがとどいていたらばもっと・・・。もっと・・・。



すべては88」から始まった・・。







しかし、そもそもはじめに工房を出る前に

鉄道会社に電話で、電車の運行状況を聞いていればもっと・・・・。




なのでありました。









お・し・ま・い



※思いがけず長い長い文章になってしまいました。
お付き合い頂き有難うございました。
それから、 鉄道会社の皆様は、大雪の中大変ご苦労さまなのでありました。
決して 恨んだりはしていませんので、あしからず・・・。






                                


2010/1/24

87 家のテーブル

   


とある、クリスマスの朝
この箱はなんだろう。


あっ!
リラックマ!


にやり
じゅんちゃんからのプレゼントだよ。


 昨年末に、ようやく家のテーブルができました。家にテーブルはあったのですが、
使っていたのは、借りた家に元々置いてあった偽物の木のテーブル。早く家にも無垢の木のテーブルが欲しいなぁと言い続けているうちに6年も経っていました。

 ようやくやって来たのは、クリの天板のテーブルです。工房の打ち合わせテーブル兼食卓もクリを使用しているので、クリ材の使い心地のよさも知っていました。ただ自宅用に使用することになったのは、4年ほど前に兄の家のテーブルを作る際、無数の虫食いがあり使用できずに、ずっと材料置き場に眠っていた材料。旦那さんが仕事の合間に少しずつ仕上げてくれたのですが、工房を覗き、立てかけてあるその天板を見るたびに、これが家に置かれたら、いったいどんな空気をかもしだすのだろう、
すごいくどくなるんじゃないかなーとか、虫食い穴に食べかすが詰まるだろうなーなどと、やや不安を感じていました。

  そしてクリスマスも近い年末、旦那さんが完成したから持って帰ってきたよ。とのことで、
遠目に車の荷台を覗き込むと、「おや?あまり虫食いがきにならないぞ。」、近寄ってみると、
虫食いの気になっていた部分がくり抜かれ、サクラの木やクリの木でつぎはぎがしてあるのでした。
その可愛らしさに、感激!大絶賛!欲しくないものを貰うとすぐに顔にだしてしまう、物を貰うのがへたくそなわたしですが、こんなに物を貰って嬉しかったことは無いかもしれません。
多分、子供のときのクリスマス以来です。

  それにしても作り始めたら、大体、一週間ちょっとで完成するテーブルが、家のテーブルだと何故、
6年もかかったのでしょう。多分、家で生活するイメージが固まっていなかったからでは無いかと思います。子供とふたりで家で過ごすようになってから、この家で夫婦二人だった時は、どのように過ごしていたかと思い出そうとするのですが、あまり思い出せないのです。どちらかというと、思い出すのは工房や作業場で、あーだこーだ言いあいながら、製作していた日々のこと。子供が生まれるまでは、
仕事のことに無我夢中、家じゃなくて仕事場で生活していたんだなあと思います。いつか、家と仕事場が一緒になる日が来るといいなあと思います。

  親バカノート、だんなさんのお姉さんのじゅんちゃんから、杏ちゃんにクリスマスプレゼントが届きました。親は用意していなかった。。。どんな顔をするのかワクワクしてカメラを構えていたら、にやりと
上目遣いに笑いました。うれしいんだねー。 来年からはその顔を見るために、ちゃんと準備するね。

                                                            ai


2010/01/22

86 冴えない帰り道 その4

   

(前回のつづき)

S駅に電話をすると20代と思われる男の駅員Aさんがでた。

「今、U駅にいるのですが、20時8分発のくだり電車は

どういった状況でしょうか」とたずねた。


S駅員Aさんは「えーと」と一瞬何かを確認し、 

「その電車なら、少々遅れているのですが、もう当駅をでていますので

もうしばらくしたら着くと思います。もう少々お待ちください。」

と教えてくれた。


お礼を言って電話をきった。

時計を見ると、20時4分だった。


「あー、助かったぞ。

S駅はそう遠くはないはずだから、

それほど待たなくてすむ。もう少しで家に帰れる。」

と、ほっと息をついた。


前の電車は1時間以上遅れていた。

今度の電車も大幅に遅れているなら、

バス停を見に行くかなあ、と思っていたが行かなくてすんだ。


ホームに貼られた路線図を確認するとS駅からは5駅目だった。

もうS駅を出たといっていたし

多めに見積もっても20分で着くはずだ。

1時間以上かと思っていたせいか

20分と思うとずいぶんと短そうに感じられた。



しんしんと雪は降り続いていた。

静寂と夜の闇に覆われていた駅が

少し明るくなったような気がした。




それからしばらくは、やることもなかったので

壁の路線図を見直したり、

運賃表で、終点まで行くといくらかかるのか、を見てみたり

マジックでかかれた壁の落書きを読んでみたり

女房の携帯に「電車が遅れてて少し帰りが遅くなる」と

メールをしたりした。


雪はまだ降っていた。

立ち止まると、足元から寒さが襲ってくるので

数歩歩いては戻って、数歩歩いてはまた戻って。


「まだ、こないよなあ。」


電車がくるであろう方角を何度も見た。

そちらの方向には、ホームのすぐ脇に踏み切りがあり

電車の到着が近づくと

カンカンカンカン、と音を立てるはずだった。


足踏みをしながら

踏み切りをみたり

時計をみたり

駅の周辺を眺めてみたりしてすごした。



「ここにも、 家がたったんだなあ」

線路の向こう側には、小さな倉庫やら小さな工場やらが立っていた。

倉庫と工場の間の以前は何もなかった広いスペースには

チョコレート色の新しい家が一件新しく建てられていた。

線路と降りしきる雪に隔てられた向こう側、、

四角い家の窓からは、オレンジ色の灯りがもれていた。



待てども待てども、カンカン の音はならず、

20分が経過していった。



時計をみると20時25分になっていた。

いやな予感がして、S駅にもう一度電話してみることにした。

電話をすると、しばらく呼び出し音がつづき、

今度は50代くらいと思われる男の駅員Bさんがでた。

電話に駆けつけてきたようすだった。


「今、U駅で20時8分発のくだりの電車を待ってるのですが・・」

というと

「遅れてる。その電車は30分は遅れてますよ。」とのこと。

「先ほど、もうS駅はでていると聞いたのですが・・・」というと

「でてますよ。でてるけど、のぼり電車とすれ違いがあるから

M駅で停まってるんですよ。」と、当然のように答えた。


M駅はひとつ手前の駅だ。

この鉄道は 単線のため、上りの電車とくだりの電車は

どこかの駅で待ち合わせ、すれ違いをする。

そのすれ違いがあったのだ。


あー、そうだったのか。ひとつ手前の駅で・・・。


「それで、何時ころ到着になりますか」とたずねると

すこし面倒そうに息を吐き、パソコンのキーボードをたたく音がして

「20時50分。」と言い切った。えっ?と驚きつつ

よせばいいのに

「さっき電話したときは、もうすぐ着くといわれたのだけど・・」

と言いかけると、その瞬間、ガチャン。ツーッ、ツーッ・・・。

と電話が切れた。



さすがにアタマニきた。

大雪の日に、電車が遅れるのはしょうがない。

でも、電車がどれくらい遅れているかを

待っている客にしっかり伝えるのは当然じゃないか。

最初の人は、すれ違いがあるのを忘れるし

次の人は、なんて応対なんだ。

こっちは待合室もない吹きっさらしのホームで

凍えながら待ってるんだ。



誰もいないホームで 、アタマニきて、行ったりきたりしていた。

ぷんぷん。ぷんぷん。ぷんぷん。・・・・。

しかし、2、3回行ったりきたりしてるうちに、寒さのせいか

カッときていた頭も冷めていった。


駅員Aさんは、まだ若そうだし、新人かもしれない。

駅員Bさんは、急いで電話に駆けつけたようだったし

大雪で駅も混乱し、外で何か作業の最中だったのかもしれない。

そんな中、応対が悪いなんて言ったって何にもいい効果は無い。


そんな心境になっていた。

少しもやもやは残っていたけれど、

何を言っても電車が早く来るわけでもなし。

ま、しょうがない。ということにした。


しかし、さて、どうしよう。 である。

電車がくるまで、 ここからさらに25分。

体も冷えてきてるし、じっと待ってるのもきつくなってきた。

しかも、あの感じだと駅員Bさんの「20時50分。」

というのも怪しいもんだ。


少し離れているが

バス停に行けば、運よくバスがあるかもしれない。

バス停までいってみるか。

と傘を差し、階段を5段降りて

もときた校庭の脇の道を再び歩きだしたのだった。

(つづく。)



2010/01/19

85 冴えない帰り道 その3

   



(前回のつづき) 

道路から5段ほど階段を上ると、ホームに着く。

先ほど到着した電車から降りたであろう

2、3人の真新しい足跡は

屋根の途切れたあたりのところから

こちらに向かい、そして道路の両側へとちらばっていった。

蛍光灯の灯りに照らされたホームには、もう誰もいなかった。


ホームの奥の方に進み

まず、時刻表を確かめたが、見間違えではなかった。

電車は遅れていて、先ほどついた電車は、

1時間20分前についているはずだった。


「随分遅れてるなあ。この分じゃバス停までいってバスに乗ったほうが早いかもな。」

見ると電車の遅れなどの問い合わせ先として

ひとつ隣りの駅 の連絡先が記してあった。

「こちらまで問い合わせください  0575-88-○○○○  M駅事務所」


「電話してみよう。しかし、番号の88っていうのは、この辺ではめずらしい。

もしかしたら、古い電話番号かもしれない。」


電話をしてみると、「現在使われておりません」という案内が流れた。

「ああ、やはり古い番号か。参ったなあ。」

と見ると、その下に、鉄道会社本社の連絡先がある。

そちらに電話をすると、留守番電話が流れ、

「いつも○○○鉄道をご利用頂き有難うございます。

本日の営業時間は終わりました。急用の場合は、S駅まで。

番号は0575-○○ー○○○○です。」


「営業は終わりました」まで聞いたときは、困ったが、

最後の最後に、緊急の連絡先を知らせて

くれたので、救われた気持ちだった。


メモをもっていなかったので、その番号を必死で覚え

急いで電話を切り、S駅に電話を掛けた。 


(つづく)


2010/01/16

84 冴えない帰り道 その2

   


(前回のつづき) 

綿のような雪の粒が、次から次へ、ゆっくりゆれながら落ちていく。

校庭の脇の人気の無い道で、長靴を履き、傘をさしたまま立ち止まる。

地面の雪に、街灯の黄色い明かりが反射していた。

走り去る電車をただただ呆然と見送った。



頭が一瞬ツーンとなり、その後、動き出した。

電車が遅れているか、はたまた、時刻表を見間違えたか。

この時間の電車は以前にも乗ったことがあるし

電車の時間は間違ってないはずだった。



電車が遅れているのだ。

たしか、前の電車の発車時刻は1時間以上前のはず。

ってことは、次の電車がくるのは、1時間以上先か。

それはご勘弁願いたい。

まあ、こんな雪の日だから、電車だって遅れるのはしょうがない。

しかし、どうせ大幅に遅れているのだったら、あと10分くらい遅らせたらいいじゃないか。

次の電車に乗りたい人が乗れるんだから・・・。ぷん、ぷん。



など、あれやこれやと若干自分勝手な思いも含め、

いろいろなことが頭をめぐるが

こうなっては、もうどうしようもない。



駅に行ってから、問い合わせてみることにしよう。

無人駅だが、きっと、こんなときのための

問い合わせ先は掲示してあるはずだ。

(つづく)


2010/01/15

83 冴えない帰り道

   



今年は雪が多いねえ。

と、この数日は近所の人と会うとお決まりのご挨拶。

一昨日、 昨日、本日と美濃周辺は雪が降っていて

この辺にしては、ちょっと珍しい感じに積もっている。
(例年数回は降るが、積もるのはあまりない。)


さすがに車は雪用タイヤに交換ができたが

昨日は、女房が車を使うようがあったので、車が使えない。

そこで、工房からの帰りは、電車を使うことにした。

バスでも家の近くまでいけるのだが

こんな日は、バスは随分と遅れるもの。

電車を使うほうが確実だ。

一時間に一本あるかないかの一両編成の電車。

それでも、こんなときは、本当に有難いものだ。


時刻表を見ると、20時8分発がある。

よし、それにあわせて 工房をでよう。

今日は道に雪が残って凍ってるから、歩くのに時間がかかるかもな。

早めに出よう。と電車の時間の20分ほど前に出発。

(いつもは10分前で十分間に合う)


道は、車に踏み固められた雪が硬くなり、つるつるになっていた。

滑らないように、下を見ながら、いつもよりは少しゆっくりペースに歩く。

半分ほど歩いた辺りで、 時計を見たら十分間に合いそう。

余り早くついても、電車を待ってる間ってのは寒さが身にしみるもの。

時間に余裕があるから 、もう少しゆっくり歩こう。


と思ったそのとき

「ピーーッィ、   ガッタン ゴットン・・」と遠くで汽笛と電車の発車する音。

「えっ」。と顔を上げると

雪の降りしきる、暗く静まり返った高校の校庭の向こう側

明るく黄色い光を放ちながら

猫バスのように

一両編成の電車が走り去っていった。

(つづく。)






   2010/01/06

82

   



さくねん中はたいへんおせわになりました。


よろこびカナシミ、わかれやデアイを繰り返し

そんな一日一日が、まわりまわった一年でありました。


ことしも

そんな一日一日が

まわりまわっていくなかで

なるべくちいさな幸せと

なるべくちいさなふ幸せ。

なるべくいっぱいあーつーめーよー♪(ザ・ブルーハーツ風)





ことしもどうぞ宜しくお願いいたします。

AC CRAFT