少し前になりますが、伐採見学行った際のレポートです。

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美濃市街から車で約30分ほど
美濃市片知の山の中ヒノキ材の伐採が行われました。

ヒノキといえば
AC CRAFTで使用しているスギやカラマツと同様に、戦後に大量に植林され、
今、たくさんの木々が大きく育ってきている反面
安価な外国産材に押され、十分に利用されなくなったことで
手入れがされない森林が増えてしまっている。

そんな状況にさらされている樹種の一つです。

今回の伐採は、美濃市の事業(ウッドスタート事業)で
1歳児 に配られるおもちゃになる予定のヒノキ材の伐採です。

黄色いテープが巻かれているのが、今回伐採予定のヒノキ。
今回伐採するのは5~6本ほど。

聞くところによりますと、この森林を調査した結果
ここの木々は、まだ 大きく育つ余地があると思われることがわかり
今は密集しがちではありますが、利用間伐をしながら
100年後には理想的な姿に・・・

という目標のもと伐採を計画・実施しているとのことでした。

上の写真は、伐採前に、木を倒す方向や伐出の経路を検討しているところです。

手際よく準備が進めるふくべの皆さん。

安全かつ確実に、倒したい方向に倒すため
伐採をする木の上の方に縄をかけ、他の一本の木を経由させ
ワイヤで木を引っ張っていきます。その下準備の風景。

準備がととのったら、いよいよチェーンソーで伐採です。

遠くに見えるのが伐る方で、こちら側では様子をみながら
ワイヤを巻いて木をひっばっています。

この森林の木の樹齢は53年。

倒れ始めました。

ギッ、ギッ、ギッ~ギッ~ ドーン
と独特の音を立てながら、無事、計画通りの方向に倒れました。

当たり前ながら、感傷に浸るまもなく、手早くワイヤをはずし枝を払っていきます。

倒れた端から30センチほどは、倒れた衝撃で裂けてしまうため
そこの部分は除け、その先を2M強の長さにて玉切りしていきます。

建築材にする場合は、下から1Mほどは曲がりがあることが多いため
除けてしまうことも多いそう。
今回は おもちゃに使用するので比較的無駄なく使えそうです。

おもちゃ作りに使う部分は、まずは2M強の長さの板材にする予定。

4番玉~5番玉まではこの長さに。

上に行くほど径が細くなり節は増えていくので通常、
ものをつくるときは分止まりが悪くなってしまったり
製作難度があがってしまい勝ちです。

そういうこともあり、さらに上の部分は薪用に40センチ強にカットされました。

そして、さらに先端の部分は、「ハンガー掛けになるんだよ」
と、その場でつるんと皮が剥かれました。

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安価で材質の安定した外国産材との競争。

それにともなう材価格の下落。
(※2021年5月現在、外国産材の入手困難等の事情により、状況が変わりつつあるようです。
この先の状況は要注目ですね。)

林業の担い手の不足。
枝打ちや間伐など手入れができないことによる材質の低下。
手入れのされない森林の荒廃。
地域の山、そして地域の未来は ・・・。
そんな厳しい現実を正面から受け止めながら
「なるべく無駄なく有効に材を利用することで森林を持続的に整備していく道が開けるはずだ・・・。」
そんな強い思いと共に生き生きとひたむきに活動されている姿が、とても印象的でした。

今回の伐採見学レポートは、これでおしまい です。

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